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福正宗の歴史とラベルの変遷
福光屋の代表銘柄であり、加賀百万石の城下町として栄えた食の国・金沢で最も愛されている地酒「福正宗」。常に時代とともに生き、その時代に合った酒を世に送り出してきました。
命名は十一代目松太郎と伝えられています。「福」の原義は、祭に参加した者がもらうお神酒。〈示〉は神を、つくりの部分は酒を入れるつぼを表します。〈正宗〉は"せいしゅう"、つまり「清酒」を意味するとも言われています。
九代目太平二から十一代目松太郎の時代(明治初期~昭和初期)には「旭鶴」「松緑」「福寿草」「万歳」など複数の銘柄をもっていましたが、1940年に清酒の価格が上・中・並と区別されるようになり、1943年には級別制度が導入。それに伴い銘柄は淘汰され、当時最も上級酒の銘柄であった「福正宗」が主力として残されたのです。
1992年に十三代目松太郎がマルチブランド政策を発表し、「黒帯」「加賀鳶」など複数銘柄を再び展開するようになるまでの約50年にわたり、人々の価値観や嗜好を敏感に感じとりながら、変革を重ねてきました。福光屋の職人魂は、酒造りからデザインの現場まで一貫して受け継がれています。