
当初は「酒は1年経過するごとに成長する」と見られていたのですが、長年の研究により必ずしもこのことが当てはまらないことが分かってきました。そこで、中味の成長や出来栄えにより、年度ごとの適切な価格付けをする目的で、このヴィンテージ委員会がはじまったのです。
株式会社福光屋では、毎年10月に元国税庁醸造試験所所長の吉澤 淑先生をお招きし、「瑞秀・粒撰」と「瑞秀・優等賞(もしくは金賞)」についての価格決定を行う「ヴィンテージ委員会」を開催しています。
委員会では、各年度の商品のきき酒をした後、各自がきき酒評価を発表し、価格付けをして行きます。一通り意見が揃ったところで、委員長が最終評価として、更に成長して行くか、成長のピークかを判断材料に加え、適切な価格を下され、社長の承認を得ます。こうして瑞秀の価格が決定されます。
分かりやすい目安としては…
・ 酒造年度により値上げするもの → 健全に成長しており出来栄えのすばらしいもの
・ 据え置くもの → 成長が遅れているもの
・ 値下げするもの → 成長のピークが止まったもの
瑞秀の原料米には、特に選りすぐった兵庫県多可郡中区坂本産の「山田錦」が使用されていますが、当社の顧問で山田錦栽培指導の第一人者である徳平政巳先生に、毎年の山田錦の出来栄え評価をしていただいています。
その評価と商品の出来との相関は非常に高く、山田錦の出来栄えの良い年の商品は、年々健全に成長を続け、価格も高く推移しています。
ブドウワインの醸造 は単醗酵(清酒と異なり糖化工程はいらずアルコール発酵のみ)で、醸造工程は単純なため、その年のブドウの出来栄えが品質に大きく影響します。
それに対し、清酒造りは原料処理、麹造り、もと造り、もろみ造りといろいろな工程を経て複雑なので、米の出来栄えが悪い年でも逆にある程度修正効き、毎年それほど 品質差がなく造ることが出来ます。
しかし、瑞秀のように商品化して長年貯蔵して成長度合いを見ているものについては、その成長度合いと米の出来栄えに相関があるのです。
やはり、米の素質は成長に大きく関与するものであることが分かります。